補助事業計画書は、経営計画書に比べて定型的です。私は、採択された計画書の型に沿って書けば、この部分で大きく外すことは無いと考えています。逆に、経営計画書との整合が取れていないと、ここがどれだけ丁寧でも点が付きません。
審査で見られること
審査の観点③「補助事業計画の有効性」と④「積算の透明・適切性」です。具体的で実現可能性が高いか、経営計画の方針・目標を達成するために必要かつ有効か、デジタル技術の活用があるか、事業費の積算が正確かが見られます。
悪い例は「スケジュールや費用の妥当性の記載が無い」「目標と事業内容が合致していない」「ITについての記載が無い」「数値計画が記載されていない」ものです。良い例は、誰が・いつ・どの経費を・何のためにが書かれ、写真とスケジュールがあり、収支計画が記載され、お客さまに与える効果が具体的なものです。
事務局の記入例はどこが弱いか
記入例の事業名は「地域広報及びECサイトのリニューアルによる新規顧客獲得事業」で、30字のうち18字ほどしか使っていません。経費明細では、商圏分析をしないまま10万部のチラシ配布を計上しており、半径2km圏に10万世帯が居住しているかの確認がありません。また、ウェブサイト関連費の交付申請額が0円となっており、補助金が出ないのに補助事業として実施する意味が読み取れません。私は、この3点が弱いと考えています。
書き方の型
採択された計画書の補助事業計画書は、次の形で書かれています。
①事業名は「○○による○○事業」の形で、30字を使い切ります。「ウェットブラストマシン導入による旧車・ヴィンテージバイク整備拡大事業」「浴室設備改修による欧米インバウンド・サーファー誘致事業」等です。
②「背景・目的」では、「本事業実施の背景は以下の2〜3点です」と番号で列挙し、経営計画書の課題を再掲します。
③「具体的な取組」は、【実施事項:機器名】の見出しのあとに、なぜその機器でなければならないかを書きます。「麹を使った料理は厳格な温度管理が必要であり、発酵料理を中心に据えるには冷蔵庫が不可欠」のように書きます。
④スケジュールは「交付決定後速やかに」から始め、繁忙期(七五三・観光シーズン等)に間に合わせる形で書きます。実施体制には商工会・商工会議所と金融機関を明記します。
⑤「効果」は「以下の成果が得られるものと考えています」のあとに①②③で列挙します。
⑥「効果の試算」は3年の売上計画を表にし、経営目標の数値に着地させます。
実例文(匿名・日本料理店の取組)
当店の最大の経営課題である「高い原価率」を改善するためには、より付加価値の高い料理を提供することにより、お客さまへの提供客単価を向上させる必要があります。そこで、本事業では地域産の「麹」や「醤油」「味噌」等を活用した、「発酵料理」を中心としたメニュー展開を実現いたします。
発酵食品、特に「麹」を活用した料理については、調理に際して厳格な温度調整が必要となります。適切な温度で保管できなかった場合は、発酵が進むことで味が変化してしまいます。「発酵料理」を中心としたメニュー展開のためには、発酵食品を適切に保管するための「冷蔵庫」の導入が必要不可欠となっています。
実例文(匿名・葬祭業の効果)
上記施策を実施することにより、①遺体保冷庫の導入による複数遺体保存体制構築と、②大型ポスター印刷機導入による情報発信強化が実現できます。これにより、以下の成果が得られるものと考えています。
①遺体保冷におけるサービス品質向上と複数体保管の実現
②新規顧客誘致による「家族葬」の客数増
本事業では「売上総利益率の向上」と「客数増加による売上増」を実現します。売上総利益率を現在の37.7%から改善し、3年後には目標である47.7%超を達成いたします。
確認する3点
①事業名は25字以上30字以内か。②各機器に「なぜそれか」の理由が付いているか。③効果の試算が、経営目標の数値に着地しているか。


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