実感としてお伝えしておきます。私は、採択されることより、補助事業を実施して終わらせる方が、はるかに手間がかかると考えています。採択された方も、そのつもりで取りかかる必要があります。
全体の流れ
| # | 段階 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|---|
| ① | 準備・計画 | 自社分析、計画書の作成 | 1〜3か月 |
| ② | 様式4 | 商工会・商工会議所が事業支援計画書を発行 | 締切 12月4日 |
| ③ | 申請 | 電子申請(GビズIDが必要) | 締切 12月15日 |
| ④ | 審査・採択 | 採択通知書=補助金を受ける権利を得た段階。まだ支出できません | 約3か月 |
| ⑤ | 交付申請 → 交付決定 | 資金使途が精査され、交付決定通知書が届く | 1〜2か月 |
| ⑥ | 補助事業の実施 | 発注・支払・証拠書類の収集 | 数か月 |
| ⑦ | 実績報告 | 報告書と証拠書類を提出。精査を経て補助金額が確定 | 1〜2か月 |
| ⑧ | 入金 | 請求書を提出したのち振込 | 2〜3か月 |
全体でおよそ1年がかりとなります。交付決定から精算払いまでで最長9か月かかる場合もあり、資金調達についても検討しておく必要があります。
事務局は「公募要領」に基づいて運営しています
持続化補助金は、経済産業省・中小企業庁の予算を、商工会地域では全国商工会連合会、商工会議所地域では日本商工会議所が受け、実際の運営は委託事業者(事務局)が行っています。審査は中小企業診断士が担当しています。事務局は公募要領に基づいて運営しているため、公募要領に書かれていないことは、相談先でも答えられない場合があります。私は、不明点があれば必ず公募要領に戻ることをお勧めしています。
🔴 交付決定日より前の発注は、補助対象になりません
いちばん多い事故です。採択通知が届いた時点では、まだ発注できません。その後の交付申請を経て届く交付決定通知書に記載された交付決定日が起点となります。
また、交付決定額が補助金の上限になります。実績がそれを下回れば、下回った額しか支給されません。
※ 採択されたら、すぐ交付申請に取りかかる必要があります。見積の取得に想定外の時間がかかります。
🔴 取り返しがつかない2つ
① 振込明細書
支払いは必ず銀行振込で行い、明細を保存する必要があります。ネットバンキングの場合は、振込時の画面コピーを残します。現金で払ってしまうと、後から証明する方法がありません。
② 設備導入時の写真
機器が届いたその日に撮影します。撮り忘れが頻発しています。設置後・稼働中の写真も併せて残し、送り状等の付帯書類も併せて保管しておきます。
この2つは、後から作ることができません。「これは無かったけれど、いいですよね」が通じない世界です。
そろえる6つの証拠書類
購入したものすべてについて、次の6点が必要となります。
- ① 見積書(何をいくらで買うか)
- ② 発注書(いつ・何を・いくらで頼んだか)
- ③ 納品書(品物が納められたか)
- ④ 請求書(どの口座にいくら支払うか)
- ⑤ 振込明細(振り込んだ証拠があるか)
- ⑥ 写真(購入物が存在するか)
🔴 1点買うごとに、この6点が必要です。補助金額の大小は関係ありません。だからこそ、経費の点数を絞ることが実務上とても効いてきます(→ 経費の判断)。
※ 1件あたり50万円超(税込)の発注には、2者以上の相見積が必要です。
電子申請の前に準備しておく書類
申請システムへの入力は、締切直前ではなく早めに始める必要があります。事前にPDF化しておく書類は以下のとおりです。
- 個人事業主:確定申告書第一表・第二表、収支内訳書または所得税青色申告決算書
- 法人:貸借対照表・損益計算書
- 賃金引上げ特例を使う場合:賃金台帳、雇用契約書または労働条件通知書
- 過去に採択された方:様式第14(事業効果及び賃金引上げ等状況報告書)の提出済み確認
- 入力項目として準備:業種の細分類、開業日または設立日、前期の売上高・売上総利益・経常利益、希望する特例と加点
実績報告に必要な書類
実績報告書、支出内訳書、上記6点の証拠書類、取得財産等管理明細表(50万円超の物品)等が必要です。費目ごとに必要書類が異なり、採択後に配布される手引きに記載されています。収集した証拠書類から「経費支出管理表」を作成し、実績報告システムに入力します。すべてPDFにして登録します。
賃金引上げ特例を使った場合は、賃金台帳・雇用契約書・労働条件通知書が追加で必要です。
- 採択されてからが本番|交付決定・実績報告・精算払いの流れ(時系列の詳細)
GビズIDは、いま取る必要があります
申請は電子申請のみであり、補助金の申請には「gBizIDプライム」が必須です。会社の代表者または個人事業主本人しか取得できません。マイナンバーカードがあれば即日取得できますが、無い場合は印鑑証明書を添付した郵送申請となり、2週間程度かかります。
🔴 締切直前の一括入力は、必ず事故になります
「書類が足りない」「この欄に書くことを考えていなかった」が締切当日に発覚します。早めにログインして、少しずつ進める必要があります。電子申請の画面は補助金ごとに仕様が違い、慣れが要ります。
様式4(事業支援計画書)
商工会・商工会議所が発行する書類です。第20回の発行受付締切は2026年12月4日(金)、申請締切は12月15日(火)17:00となっています。原則オンラインでの発行です。
締切間際は窓口が混み合います。余裕をもってご相談いただく必要があります。
2つの期限を、最初にカレンダーへ入れる
採択後に必ず訪れる期限が2つあります。補助事業の実施期限と実績報告の提出期限です。交付決定通知書が届いたら、この2つを真っ先にカレンダーへ入れる必要があります。
期限を1日でも過ぎた支出は、どれだけ計画に沿っていても補助対象になりません。
次に読む
- 経費の判断 ── 何を、何点計上するか
- はじめての持続化補助金 ── 立替と資金繰り
- 計画書の書き方
ご注意(免責事項)
手続きの詳細・必要書類・期限は公募回次および交付決定の内容により異なります。必ず採択後に配布される手引きと最新の公募要領をご確認ください。個別のご相談は、お近くの商工会・商工会議所の窓口をご利用ください。
