「1-3 経営課題」は短い項目ですが、ここで書いた課題が補助事業計画書の出発点になります。私は、課題は1点に絞る必要があると考えています。課題を並べるほど、補助事業がどの課題を解決するのかが曖昧になるためです。
審査で見られること
審査の観点①の締めくくりであり、観点③「補助事業計画の有効性」の起点でもあります。経営課題と補助事業が別方向を向いている「乖離」が、最大の減点要因となっています。
悪い例は「近年の動向、経営課題について記載が無い」ものです。良い例は、客数・客単価の変動を記載し、経営課題を把握しているものです。
事務局の記入例はどこが弱いか
記入例は、店主とアルバイト1名で作業をこなしており人手が足りない、借入の返済が重い、という記述になっています。人手不足と返済負担は事実ではありますが、売上・利益の分析から導かれた課題ではありません。私は、分析結果と課題が連動していない点が弱いと考えています。
書き方の型
採択された計画書の課題は、次の形で書かれています。
①「1-2」で見つけた指標の差を1つ選びます。粗利率か、人件費比率か、1人当たり売上高か、客数かのいずれかです。
②「当社の課題は何よりも『○○』にあると考えています」と1文で言い切ります。
③その課題が事業の継続にどう影響するかを1〜2文で添えます。「このままでは従業員の継続雇用が困難になる」「夫婦2名の営農にはいずれ限界が来る」等です。
④売上が課題の場合は、客数か客単価かまで分解します。
実例文(匿名・日本料理店)
当店の課題は何よりも「高い原価率」にあると考えています。原価率改善のため、メニューの値上げ等に取り組んでいるものの、それ以上の仕入価格上昇により、抜本的な改善が必要となっています。
実例文(匿名・れんこん農家)
当事業所の経営課題は何よりも「商品の付加価値を向上させる」点にあると考えています。現在の運営状況は、夫婦2人での営農となっています。売上・利益共に向上しつつあるものの、業務負荷が高くなっており、今後年齢を重ねていった場合、いつまで事業を継続できるかわからない状況です。従業員を雇用するなど、事業を拡大していくためには、お客さまに提供する商品の付加価値を向上させることで、単価を上げていくことが必要となっています。
確認する3点
①課題は1つに絞られているか。②その課題は「1-2」の指標の差から導かれているか。③補助事業計画書の「背景・目的」に、同じ課題が再掲されているか。


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