「4-1 経営方針・目標」で最も多い失敗は、補助事業の目的をそのまま書いてしまうことです。私は、経営方針は「何のために経営しているか」、経営目標は「数字で何を達成したいか」であり、補助事業はその手段の1つに過ぎないと考えています。
審査で見られること
審査の観点②「経営方針・目標と今後のプランの適切性」で、強みを踏まえているか、市場・顧客ニーズを捉えているかが見られます。
悪い例は「これまでの現状分析とかけ離れたものになっている」「補助事業の目的を記載してしまう」ものです。良い例は、創業時の想いや経営理念に基づいた一貫したものを提示し、具体的な数値目標(目標売上高・顧客数・売上利益率等)を示し、短期(5年以内)と長期(5年超)に分けているものです。
事務局の記入例はどこが弱いか
記入例の経営方針は「本物のコーヒーを体験していただきたい」となっており、想いは伝わります。一方で、経営目標としての数値が示されていません。私は、数値目標が無いことが最大の弱点であると考えています。数値が無ければ、補助事業の効果を測る物差しがありません。
書き方の型
採択された計画書の方針と目標は、次の形で書かれています。
①経営方針は理念を1行で書きます。「目の前の人を笑顔にしたい」「地域の皆様に安心して葬儀を行っていただく」「従業員と地域社会の安心・安全を守る」等です。その理念に至った経緯を2〜3文添えます。
②経営目標は数値を1つ書きます。売上高(2,000万円・1,200万円・2.5〜3億円)、会員数(100名)、粗利率(37.7%から47.7%へ)、1人当たり売上高(16,000千円)、外国人比率(20%)のように、業種に合わせて選びます。
③その数値が「1-3 経営課題」の解決を意味するように選びます。課題が粗利率であれば目標も粗利率で書きます。
実例文(匿名・葬祭業)
当社は、地域密着型の葬儀会社として、何よりも「地域の皆様に安心して葬儀を行っていただく」ことを経営方針としています。これまでご愛顧いただいた基盤をベースに事業を継続できる体制を整えるにあたり、感染症の影響による環境変化に対応しなければならなくなっています。
経営課題にも記載したとおり、第一の経営目標は「売上総利益率の向上」にあります。現在の売上総利益率37.7%を、少なくとも10%高い水準である47.7%にまで改善し、収益を確保できる体制を構築したいと考えています。
実例文(匿名・トレーニングジム)
当事業の経営目標としては、事業の安定運営に足るだけの会員数を確保することにあると考えています。現在は十分な会員数を確保することができておりません。本事業を実施することにより、「会員数100名」を達成したいと考えています。
確認する3点
①経営方針は理念として1行で言えるか。②経営目標に数値が1つ入っているか。③その数値は、経営課題の解決を意味しているか。


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