第19回から、この項目は「自社の強み」と「自社の提供する商品・サービスの強み」が1つの欄にまとまり、代わりに「弱み」の記載が求められるようになりました。私は、弱みの選び方が採否を分けると考えています。
審査で見られること
審査の観点①で、自社の製品・サービスや強み・弱みを適切に把握しているかが見られます。減点される申請書は「強みだけで弱みが無い」ものです。
悪い例は「○○力が高い」「幅広いネットワーク」のような抽象的な表現です。良い例は、なぜ強みになっているのかの理由が具体的に明記され、経営者・従業員の過去の経験や技術に言及し、ヒト・モノ・カネ・情報またはQCD(品質・価格・納期)の視点で整理され、補助事業計画との連動があるものです。
事務局の記入例はどこが弱いか
記入例の強みは「顧客第一のサービス」「品質の高いコーヒー豆」「手間暇をかけた焙煎」です。どれも事実であるとは思いますが、同業他社との差別化要因が読み取れず、主観的な感想に近くなっています。また、弱みとして挙げた「商品価格の高さ」は、補助事業(チラシ・ECサイト)では解決できません。私は、この2点が弱いと考えています。
書き方の型
採択された計画書の強みは、次の形で書かれています。
①強みは3点に絞り、①②③の番号を付けます。
②各強みに「理由」を付けます。「代表はレーシングチームのメカニック経験を持つ」「メーカーからの部品供給が途絶えた車種の部品を、独自の調達網で入手できる」のように、他社にできない根拠を書きます。
③ヒト(経歴・資格・こだわり)、モノ(設備・調達ルート・立地)、カネ(指標で平均を上回る項目)の3つから1つずつ取ると、偏りません。
④弱みは、補助事業で解決できるものを1つ書きます。「大口径タイヤに対応する機器が無い」「宣伝広告を実施してこなかった」等です。
実例文(匿名・オートバイ整備業)
当社の強みは以下の3点にあると考えています。
①「旧車」の点検・整備ノウハウを持っている。旧車と呼ばれるヴィンテージ・オートバイは、車齢40〜50年超を経過している車両となり、当時の車両構造や車両ごとの癖を熟知した整備技術が求められます。
②「旧車」の部品調達ルートを有している。メーカーからの部品供給が途絶えており、独自の調達網を用いて整備用部品を調達できている点も大きな強みであると考えています。旧車オーナー最大の不安である「修理不能」のリスクを解消することができています。
③レース向けの車両整備にも対応できる。過去のスペック以上の性能を引き出すことができる点は、他社に真似のできない当社ならではの強みであると考えています。
実例文(匿名・和菓子店の弱み)
当店は前経営者が高齢であったことから、充分な宣伝広告を実施して参りませんでした。また、看板は先代が作成したものであり、老朽化が進んでいるほか視認性が悪いものとなっております。新規顧客開拓のためには、看板を刷新し、店舗の視認性を向上させる必要があると考えています。
確認する3点
①強みは3点に絞られ、それぞれに理由があるか。②弱みが1つ書かれているか。③その弱みは、補助事業で解決できるものか。


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