【事例】米穀・肥料販売|上限200万円の枠で116万円の計画

米穀・肥料販売業|上限200万円の枠で、116万円の計画に

このページは 業種別の活用事例 の一部です。

明治期に創業し、米穀と肥料・農業資材の販売を営む法人の事例です。従業員2名の少数精鋭で、賃金引上げ枠(上限200万円)に申請しています。

目次

指標で見つけた課題

経済産業省「ローカルベンチマーク」で分析したところ、売上増加率20.5%、営業利益率3.4%、自己資本比率35.8%、総合評価24点のA評価であり、財務の安定性は高い水準でした。

一方で、営業利益率と労働生産性の評点が伸びておらず、収益性については課題を抱えていました。

仕入価格の上昇により、肥料・農業資材の粗利率は低下しており、より付加価値の高い商品を販売する必要があると整理しています。

統計で裏づけた

「RESAS」の産業構造マップでは、経営体あたりの農業産出額が周辺地域より大きく、大規模な農家が増えていることが示されていました。

顧客ニーズについては、原油価格等の高騰により肥料の主要原料であるカリウムとリン酸の価格が3倍以上になっており、農家の経営を圧迫していました。

そこで着目したのが、一度の施肥で長く効く「緩効性肥料」です。施肥回数を減らせるため、農家の労働時間と肥料費の両方を抑えることができます。

買ったもの・なぜそれか

導入したのは「緩効性肥料の保管倉庫」(545,925円)と「農家向けパンフレット」(30,000円)です。

緩効性肥料は協力業者との共同開発でOEM製造し、地域の実情に合わせた配合で販売する計画です。保管体制を整えることで、これまで受注できなかった注文に応えられるようになります。

補助対象経費は1,163,350円、補助金交付申請額は775,566円であり、上限200万円の枠を使い切らない構成となっています。

目標数値と3年計画

経営目標は「売上総利益1億2千万円台」です。

収支計画では、売上高を2億8千万円台から計画4期目に3億4千万円台へ、売上総利益を1億円台から1億4千万円台へ伸ばす計画としています。

申請書ではこう書きました

以下は、実際に提出した様式2からの抜粋です。事業者名・地名・取引先名・商品の固有名は伏せ、売上の実額は概数にしています。比率と公的統計の数値は原文のままです。

機械装置等費:緩効性肥料の保管倉庫(545,925円)/広報費:農家向けパンフレット(30,000円)。補助対象経費 1,163,350円、補助金交付申請額 775,566円。

様式2 補助事業計画 経費明細

私は、この事例で伝えたいのは「上限200万円の枠に申請しながら、補助対象経費を116万円にとどめた」という判断です。必要な投資が116万円であれば、それ以上に経費を積み上げる理由はありません。事務手続きの量は購入点数に比例するため、点数を絞ることが実施のしやすさに直結します。※ この事例は経費明細のみの抜粋です。

同じ業種の方へ

私は、この事例で最も伝えたいのは「枠の上限まで使う必要は無い」という点であると考えています。

必要な投資が116万円であれば、それ以上に経費を積み上げる理由はありません。事務手続きの量は購入点数に比例するため、点数を絞ることが実施のしやすさにつながります。

また、財務が健全な会社ほど「課題が無い」と書きがちですが、ローカルベンチマークの評点の凹みを1つ見つければ、そこが課題になります。ローカルベンチマークの使い方は「自社分析の進め方」にまとめています。

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この記事を書いた人

中小企業診断士・応用情報技術者。金融機関の窓口相談を9年間担当した後、商工会・商工会議所の窓口相談員として延べ500社以上に対応。小規模事業者持続化補助金の採択支援は延べ100社超。千葉県商工会連合会 エキスパートバンク登録専門家、千葉県信用保証協会等の各種支援機関登録専門家。

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