【事例】自動車整備業|外注のタイヤ交換を内製化する

自動車整備業|外注比率の高さを、内製化で解決する

このページは 業種別の活用事例 の一部です。

車検整備と鈑金塗装の両方に対応し、整備士を目指す学生の実習を受け入れている自動車整備業の事例です。3代にわたり地域で営業しており、代表は地域の消防団長も務めています。

目次

指標で見つけた課題

「小企業の経営指標(自動車整備業)」との比較では、売上高総利益率が同業他社より若干低く、その分だけ人件費比率も低いことがわかりました。

要因として整理したのが「外注比率の高さ」です。自社の機器では15インチ程度のタイヤにしか対応できず、大口径のタイヤ交換は外注先に依頼し、仕入も同じ先に依存せざるを得ませんでした。

粗利率を改善して適切な人件費比率にしなければ、従業員の継続雇用が困難になると見込んでいます。

統計で裏づけた

「家計調査」では、2021年の「自動車等部品」が世帯あたり14,176円、「自動車整備費」が23,087円、合計37,263円と過去最高を更新していました。車両の使用年数の長期化が背景にあります。

一方、商圏の人口構成では60歳以上が41.8%を占め、高齢により車を手放すお客さまが増えていました。

そこで着目したのが、近隣の大規模事業所に勤める高所得層の流入です。高級車や大型SUVが多く、大口径タイヤに対応できないために依頼を断ったケースが生じていました。

買ったもの・なぜそれか

導入したのは「大口径タイヤに対応するタイヤ整備関連機器」です。

効果は①対応できていなかった高級車・SUVへの対応 ②外注費削減とタイヤ原価低減による粗利率の改善 ③タイヤ交換の生産性向上による1人当たり売上の向上 ④高単価車種の受注拡大、の4点に整理されています。

目標数値と3年計画

経営目標は「売上高2億円台後半」であり、現在断らざるを得ない受注を漏れなく対応することで達成を目指しています。

新規顧客は初年度100件、5年後に500件を獲得し、売上の20%を高級車・SUV関連で得る計画としています。

申請書ではこう書きました

以下は、実際に提出した様式2からの抜粋です。事業者名・地名・取引先名・商品の固有名は伏せ、売上の実額は概数にしています。比率と公的統計の数値は原文のままです。

当社の経営状況を確認するため、指標分析を実施いたしました。日本政策金融公庫の発行する「小企業の経営指標(自動車整備業)」との比較によると、当社の「売上高総利益率」は、同業他社と比較して若干低いことが明らかとなりました。また、併せて「人件費比率」についても調査した所、収益性が低い分、人件費に還元できていないことも明らかとなっています。

以上より、当社は「売上高総利益率」の向上を実現する必要があると考えております。その一つの要因としては、「外注比率」の高さです。当社の主幹業務の一つである「タイヤ交換業務」について、自社所有の機器では15インチ程度の小口径のタイヤにしか対応できておりませんでした。タイヤ交換業務を、指定された外注先企業に依頼せざるを得ず、またタイヤの仕入先についても同外注先に依存せざるを得ないことから、収益を圧迫する結果となっておりました。

様式2 1. 企業概要

当社における取扱商品・サービスについての市場規模を見積もるため、総務省統計局の発行する「家計調査」より、「自動車等部品」および「自動車整備費」を参照し、市場規模を算出いたしました。2021年の支出額は、自動車等部品(タイヤ等含む)が一世帯当たり14,176円、自動車整備費が一世帯当たり23,087円となり、合計37,263円と過去最高を更新しております。特に自動車整備費が高くなっている理由としては、車両の利用年数が長期化していることが影響しています。

様式2 2. 顧客ニーズと市場の動向

本事業では、高級車・SUV等で利用されている「大口径タイヤ」に対応するためのタイヤ整備関連機器を導入いたします。本事業実施により、当社としては以下の効果を得ることができると見込んでおり、収益性の向上に大きく寄与すると考えております。

①対応できていなかった高級車・SUV等の大口径タイヤ車種への対応 ②外注費削減およびタイヤ原価低減による売上総利益率の改善 ③タイヤ交換等の生産性向上による「従業員1人あたりの売上高」向上 ④高単価車種の受注拡大による単価および売上総利益率の向上

様式2 補助事業計画 2. 販路開拓等の取組内容

私は、この事例の要は「外注比率の高さ」という一語にあると考えています。粗利率が低い、という指標の差を、外注という具体的な業務プロセスに落とし込めたことで、導入する機器が一意に決まりました。効果を①②③④と番号で列挙している点も、審査員が拾いやすい書き方です。

同じ業種の方へ

私は、整備業で最も書きやすい課題は「外注に出している工程」であると考えています。

外注費が粗利率を下げ、粗利率の低さが人件費比率を下げる、という因果を1本の線で書けます。

タイヤチェンジャー等の整備機器は持続化補助金の対象になり得る一方、積載車のような車両本体は対象になりません。この線引きは「経費の判断」にまとめています。

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この記事を書いた人

中小企業診断士・応用情報技術者。金融機関の窓口相談を9年間担当した後、商工会・商工会議所の窓口相談員として延べ500社以上に対応。小規模事業者持続化補助金の採択支援は延べ100社超。千葉県商工会連合会 エキスパートバンク登録専門家、千葉県信用保証協会等の各種支援機関登録専門家。

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