第20回(2026年)の持続化補助金では、広報費とウェブサイト関連費の取扱いが大きく変わりました。チラシ・ホームページ・ネット広告などを中心に計画していた方は、組み立て直しが必要になる場合があります。
本記事では、変更の内容と、これからの申請戦略を解説します。筆者は中小企業診断士として、商工会・商工会議所の窓口で延べ500社以上のご相談に対応し、採択支援を100社超実施してまいりました。
本記事の情報について
2026年5月27日公開の第20回公募要領(第7版)等をもとに整理しています。申請時は必ず最新の公募要領・参考資料でご確認ください。
1. 何が変わったのか(旧→新)
| 項目 | 第19回まで | 第20回(2026年〜) |
|---|---|---|
| 広報費の上限 | 限定的な定め | 上限30万円(税込) |
| ウェブサイト関連費の上限 | 補助金交付申請額の1/4(最大50万円) | 上限30万円(税込) |
| 単独での申請 | 可能な場合あり | 不可(他経費との組み合わせ必須) |
ポイントは2つです。それぞれに30万円(税込)の上限がついたこと、そしてどちらも単独では申請できなくなったことです。
特にウェブサイト関連費は、第19回までの「交付申請額の1/4(最大50万円)」から、定額の30万円(税込)へと変わりました。ホームページやECサイトの制作費を大きく計上していた計画は、見直しが必要になります。
なお、SNS広告やインターネット広告などは、広報費として整理されています。以前はウェブサイト関連費として計上するルールでした。外部業者等が高額な請求をしていたことがこの変更につながったのではないかと見込まれます。
2. 「単独申請不可」とはどういうことか
広報費だけ、あるいはウェブサイト関連費だけ、という計画では申請できなくなりました。たとえば「ホームページ制作費のみ50万円」という構成は、第20回では認められません。補助金交付申請額の1/4ルールと比較すると、額は少なくなりましたが、利用はしやすくなった(他の補助対象経費に左右されることがなくなった)と考えています。
必ず、機械装置等費・展示会等出展費・新商品開発費・委託外注費など、他の補助対象経費と組み合わせる必要があります。
3. これからの申請戦略
対策①:機械装置等費などと組み合わせる
販路開拓の取組を、設備導入とセットで設計します。たとえば「新サービス提供用の機器(機械装置等費)+それを告知するチラシ(広報費)」といった組み合わせです。これにより、単独申請不可の制約を満たしつつ、補助上限額も活かせます。
対策②:広報費・ウェブの配分を上限内に収める
広報費・ウェブサイト関連費は、それぞれ30万円(税込)が上限です。両方を使えば合計60万円までですが、補助率2/3を踏まえた全体の補助上限(基本50万円・特例で最大250万円)の範囲で設計する必要があります。経費配分は、見積を取りながら早めに詰めることをおすすめします。
対策③:本当に効果のある支出に絞る
上限が設けられたことで、「とりあえずホームページ」という計画は通りにくくなりました。自社の経営課題(客数なのか客単価なのか)に直結する販促に絞り、効果を数値で説明できる構成にすることが、これまで以上に重要になると考えています。
4. 変更の背景(診断士の視点)
ウェブサイト関連費は、これまで申請が多く、また成果物の確認が難しい経費でもありました。上限と単独申請不可が設けられた背景には、補助金を「販路開拓の取組全体」を支援するものとし、ウェブ単発の支出に偏らせない狙いがあると考えています。つまり、ホームページを「目的」ではなく「販路開拓の手段の一つ」として位置づけることが求められているといえます。
5. よくある質問(FAQ)
Q. ECサイトの構築費はどちらに入りますか?
ECサイトや自社ウェブサイトの制作費はウェブサイト関連費にあたります。上限30万円(税込)・単独申請不可の対象です。
Q. チラシと看板はどちらの費目ですか?
チラシ・ポスター・看板・新聞折込などは広報費にあたります。こちらも上限30万円(税込)・単独申請不可です。
Q. 上限を超えた分はどうなりますか?
上限を超える部分は補助対象外となります。超過分は自己負担での実施を検討することになります。
6. まとめ
- 広報費・ウェブサイト関連費は、それぞれ上限30万円(税込)になりました。
- どちらも単独申請は不可で、他の補助対象経費との組み合わせが必須です。
- ウェブ中心・チラシ中心の計画は、設備導入などと組み合わせる形に設計し直すのが有効です。
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ご注意(免責事項)
本記事は制度の正確な理解に努めて作成していますが、申請にあたっては必ず最新の公募要領・参考資料・よくあるご質問をご確認ください。また、事業計画書・申請書の作成方法に関する記述は、筆者の実務経験にもとづく個人的な見解であり、補助金事務局・中小企業庁・経済産業省の公式見解とは異なる場合があります。最終的なご判断は、商工会・商工会議所や事務局にご確認のうえお願いいたします。
筆者プロフィール
中小企業診断士・応用情報処理技術者。金融機関の窓口相談を9年間担当した後、商工会・商工会議所の窓口相談として延べ500社以上に対応。小規模事業者持続化補助金の採択支援は延べ100社超。千葉県商工会連合会 エキスパートバンク登録専門家、千葉県信用保証協会等の各種支援機関登録専門家。
参考(一次情報)
・小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回 公募要領(第7版)/公募要領 新旧対照表(2026年5月27日)