【第20回】持続化補助金 第19回からの変更点まとめ【比較表付き・2026年最新】

小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉の第20回公募要領(第7版)が、2026年5月27日に公開されました。第19回(公募要領第6版)から、賃金引上げ特例の考え方や経費の取扱いなど、複数の重要な変更が入っています。過去に申請した経験がある方ほど、以前の知識のままでは要件を読み違えるおそれがあります。

本記事では、第19回から第20回への変更点を比較表で一覧にし、それぞれの概要を解説します。筆者は中小企業診断士として、商工会・商工会議所の窓口で延べ500社以上のご相談に対応し、採択支援を100社超実施してまいりました。

本記事の情報について

2026年5月27日公開の第20回公募要領(第7版)および中小企業庁・補助金事務局の公表情報をもとに整理しています。制度・スケジュールは変更される場合があります。申請にあたっては、必ず最新の公募要領・参考資料・よくあるご質問をご確認ください。


目次

1. 第19回 → 第20回 主な変更点(比較表)

項目第19回まで第20回(2026年〜)
賃金引上げ特例の要件事業場内最低賃金を+50円以上1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増加
賃上げ特例の赤字事業者補助率2/3補助率3/4+赤字賃上げ加点・優先採択
賃金引上げ加点事業場内最低賃金+30円以上1人あたり給与支給総額を年平均2.0%以上増加
広報費上限の定めは限定的上限30万円(税込)・単独申請不可
ウェブサイト関連費補助金交付申請額の1/4(最大50万円)上限30万円(税込)・単独申請不可
相見積が必要な基準発注総額100万円超(税込)発注総額1件あたり50万円超(税込)
新商品開発費試作開発等テストマーケティング・市場調査が前提
加点項目既存の加点健康経営優良法人加点・地域別最低賃金引上げ加点を新設

2. 各変更点の概要

① 賃金引上げ特例が「給与支給総額」方式に

最も影響の大きい変更です。「事業所で最も低い賃金を+50円以上にする」方式から、「従業員1人あたりの給与支給総額を、前年同期と比べて年平均3.0%以上増加させる」方式に変わりました。提出する賃金台帳も、直近1か月分から連続12か月分へと変わっています。

(詳細は個別記事「賃金引上げ特例の新要件:年平均3%の計算方法」をご覧ください)

② 赤字事業者は補助率3/4に

賃金引上げ特例に申請する事業者のうち、直近1期または直近1年間の課税所得がゼロ以下の赤字事業者は、補助率が2/3から3/4へ引き上げられ、優先採択の対象になります。

③ 賃金引上げ加点も年平均2.0%方式に

特例とは別の「賃金引上げ加点」も、最低賃金+30円方式から、給与支給総額の年平均2.0%以上増加方式へと、特例と同じ考え方に統一されました。

④ 広報費・ウェブサイト関連費に上限30万円・単独申請不可

広報費・ウェブサイト関連費に、それぞれ上限30万円(税込)が設けられ、どちらも単独では申請できなくなりました。必ず他の補助対象経費と組み合わせる必要があります。

(詳細は個別記事「広報費・ウェブサイト関連費 上限30万円・単独申請不可の影響と対策」をご覧ください)

⑤ 相見積の基準が50万円超に

2者以上の相見積が必要となる基準が、発注総額100万円超から、1件あたり50万円超(税込)へ引き下げられました。見積を取るべき範囲が広がっています。

(詳細は個別記事「相見積もりの基準が100万円超から50万円超に変更」をご覧ください)

⑥ 新商品開発費はテストマーケティング・市場調査が前提に

新商品開発費は、テストマーケティングまたは市場調査の結果を踏まえたものが対象であることが明記されました。調査の内容・結果を計画書や実績報告書に書けない場合は対象外となります。

⑦ 「売上高・売上総利益の増加」が審査の軸に

事業効果報告時点で、売上高・売上総利益が補助事業終了時より増加する見込みであることが要件に加わりました。審査でも、客観的データに基づき売上・粗利の増加を目指す計画かが繰り返し問われます。

⑧ 新加点2種の新設

健康経営優良法人加点と、地域別最低賃金引上げ加点が新設されました。

(詳細は個別記事「新設の加点2種:健康経営優良法人・地域別最低賃金引上げ加点の取り方」をご覧ください)


3. 補助上限額・補助率(第20回)

区分内容
基本の補助上限50万円
補助率2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4)
インボイス特例+50万円
賃金引上げ特例+150万円
両特例を満たす場合最大250万円

4. スケジュール(第20回)

  • 公募要領公開:2026年5月27日
  • 申請受付開始:2026年11月5日(木)
  • 事業支援計画書(様式4)発行受付締切:2026年12月4日(金)
  • 申請受付締切:2026年12月15日(火)17:00
  • 採択発表:2027年3月頃(予定)

様式4は商工会・商工会議所で発行してもらう必要があります。締切間際は混み合いますので、早めにご相談ください。


5. 過去に申請した方が特に注意すべき点

  • 賃上げ関連は判定の考え方そのものが変わりました。「+50円」「+30円」という旧知識のまま要件を満たしたつもりにならないよう注意が必要です。
  • ウェブサイト関連費を中心に据えた計画は、上限30万円・単独申請不可により組み立て直しが必要になる場合があります。
  • 50万円超の発注では相見積が必要です。調達計画の段階から準備しましょう。

6. まとめ

第20回は、賃上げ・経費・加点の各面で実務的な変更が入った公募です。特に賃金引上げ特例の計算方式の変更は影響が大きく、早めの確認をおすすめします。各変更点の詳細は、個別記事で数値例とともに解説しています。


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筆者プロフィール

中小企業診断士・応用情報処理技術者。金融機関の窓口相談を9年間担当した後、商工会・商工会議所の窓口相談として延べ500社以上に対応。小規模事業者持続化補助金の採択支援は延べ100社超。千葉県商工会連合会 エキスパートバンク登録専門家、千葉県信用保証協会等の各種支援機関登録専門家。

参考(一次情報)

・中小企業庁 補助金公募情報

・小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回 公募要領(第7版)/公募要領 新旧対照表(2026年5月27日)

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